岐阜県出身のオーナーによる、松茸と飛騨料理の専門店。赤坂という場所柄、昼は近隣のオフィスワーカーで賑わうが、夜はコースメニュー中心で、記念日の食事や接待にもぴったり。落ち着いた雰囲気のなか、松茸土瓶蒸しから、土鍋ご飯まで、松茸三昧の献立が楽しめる。松茸は国産をはじめカナダ、中国、韓国、フィンランド、モロッコ、トルコなど世界の名産地からチョイス。専門店だけあり、ラインナップが幅広く、オールシーズン楽しめるのが嬉しい。「松茸の土瓶蒸し」で胃をならしたところで供されるのが、写真の「松茸炭火姿焼き」だ。目の前に置かれた七輪の中には、赤くいかった炭。遠赤外線の威力と店の職人ならではの技で松茸はみるみる間においしそうに焼かれ、ひと口大に裂かれる。

１本焼きにすることで中が蒸されるため、食感は驚くほどみずみずしく、炭火の乾いた香ばしさも共存する贅沢な味わいだ。まずは何もつけず食べ、土の香りと秋の香気を堪能し、次にスダチ・塩・醤油で食べ比べを。この後には「松茸と飛騨牛のすき焼き」が待っている。そして、最後には「松茸ご飯」へ ――。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota