素材の滋味を生かし、繊細な味わいを追求する京料理の醍醐味を
京都・木屋町 露庵 菊乃井
平成元年にオープンした店は京の老舗料亭「菊乃井」の流れをくむ。「こちらでは伝統にしばられず、私たちが心から『うまい、好きや』と言える料理を、カウンター割烹のスタイルを中心に楽しんでいただきます」と店主の村田喜冶さん。熱いものは熱いうちに、冷たいものは冷たいまま・・・と料理の温度感を最も大切にしているという。近くにある豆腐店「近喜」の豆乳ににがりを打ち、黄柚子釜に入れて蒸した「柚子豆腐」は熱々を味わう秋の逸品。とろりまろやかな豆腐に、炊いてペーストにした柚子を白味噌や酒と合わせて火にかけ練り上げた柚子味噌をかけてある。芳しい柚子の香りやさわやかさが豆腐の甘みとあいまって口の中にやさしい余韻を残す。
夏場には同じ豆乳に裏ごしした生雲丹を混ぜて冷やし固めた「生雲丹豆腐」が出されることも。懐石のコースでは、素材の滋味を生かしつつ、繊細な味わいを追求する京料理の醍醐味が実感できる。「最後まで驚きや楽しさを味わっていただけるように」と食事は季節の炊き込みご飯を用意。夜のコースのデザートは手作りの甘味2種類からお好みで選べるのもうれしい。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2012.8.20
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