限りなく自然に素材の個性を伸びやかに表現
京都・烏丸御池 ラ・ビオグラフィ
パリの三つ星「アルページュ」をはじめ、フランスやスイスで経験を積み、京都のホテルのフレンチレストランでは料理長として活躍してきたオーナーシェフの滝本将博さん。2011年にオープンした「ラ・ビオグラフィ」のメニューは、昼・夜それぞれおまかせのコースが1種類。「素材にストレスを与えず心地よくさせることで、旨みや香りを最大限に引き出したい」と話す滝本シェフが大切にしているのは、常に「自然」であること。素材の個性を見極め、その性質を崩さずに調理することに心血を注ぐ。朝獲れたものをその日に使う香住の蟹の前菜では、最もダメージが少なく加熱できる低温でそれぞれの野菜に適切な調理を施す。牛肉は油を引かずに80度から90度の低温で約100分じっくり、転がしながら加熱をしていく。
仕上げに振る結晶塩でミネラルを、黒コショウで香りを添えるだけで肉本来の香りや風味、旨み、ジューシーな食感を存分に引き出し、未知なる繊細な味わいに。肉に添えたジュも煮詰めるのではなく、肉のエキスを抽出することでより深みと香りを生かすという新しいアプローチがなされている。素材が紡ぎ出すドラマティックな品々に身も心も穏やかに満たされる一軒だ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
掲載日/ 2016.2.18
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