時代の流れをくみ、常に進化と革新を。新味でもてなす京料理
京都・烏丸 京料理 木乃婦(きのぶ)
創業から80年の歴史を重ねてきた京料理「木乃婦」。3代目として活躍するのは、シニアソムリエの資格を持つ高橋拓児さん。伝統を守り続けるというイメージが強い京料理の世界にあって、常に時代のニーズを意識し、「攻め」の料理を手がけてきた。たとえば、会席料理の中で饗される、八寸。「本来は酒肴として作られていたものですが、最近はしっかり料理として楽しみたいというお客様が多いのです。ならば、良い産地の食材を使い、品数を絞って厳選したものをお出ししようと思いました」と高橋さん。塩・酢を控えめにすることでさっぱりと仕上げた鯖寿司には、かぶらの千枚漬けをあしらい、栗の渋皮煮、車海老のイクラ寄せなど5品で魅せる。
「蟹のお鍋」も、オーダーが通ってから、生の身を殻から取り出して団子にし、炙った蟹の甲羅を吸地に入れて、香ばしさを演出。生の蟹から、一気に仕上げることで、香りや旨みを逃さず、最高においしい状態で提供する。一方で江戸時代の伝承料理を再現するなど、守るべきデータのストックを豊富に持ち、「昔のものを今に生かす」試みも忘れない。「料理は時代を反映していくもの。環境や社会情勢に合わせ、今求められているものを提供していきたいですね」。常に変化をいとわない姿勢に、広がる可能性と京料理の底力を感じずにはいられない。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
カード会員様特典はこちら ≫
※ご予約の際には、タカシマヤのカード会員であることをお伝えください。
掲載日/ 2015.12.18
※表示価格は税(8%)・サービス料込みの表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。