このお店は移転または閉店しました。
東京・日本橋 櫻川
東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」より直結する日本橋三井タワー。ここには複数のオフィスのほか、ホテル「マンダリン オリエンタル 東京」や高級飲食店が入っているため、ビジネスパーソンやマダムたちが行き来する、いかにも東京らしい空間となっている。
2階にある「櫻川」は、正統な日本料理を提供する高級和食店。老舗料亭に長年務めた倉橋祥晃さんがつくる料理は、華やかで、季節の美しさやおいしさにあふれている。
年始から1月20日(水)までは新年を祝うための特別な献立となるが、数々の祝肴のなかでも、毎年、椀物は特に好評だ。焼餅を、大根と卵白を混ぜた淡雪で覆い、堂々と厚めに切った特製カラスミをのせたもの。
たっぷりの昆布とカツオ節で引いた出汁をひと口吸うと、上品かつ深みのある味わいに、まず、感動する。食べ進むうちに、出汁がカラスミの塩気をたたえ、よりいっそう、体のすみずみまで行きわたるようだ。この時期のお造りは、めでたい鶴皿に、“福(ふく)”を呼ぶフグ、マグロ、鯛を盛りこみ、大根とニンジンのなますを添える。 「櫻川」では、六本木にあった頃からの常連客も多く、親子三代で通う人も多いという。日本料理を理解する心を受け継ぐのは作り手だけではない。いつ訪れても素晴らしい店があるからこそ、その美意識は、食べる側にも脈々と受け継がれていくのだ。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota
掲載日/ 2015.12.18
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