洗練のひと皿に生きた野菜のパワーを実感
京都・出町柳 レストラン エピス
オーナーシェフでソムリエの井尻宣孝さんは彫刻師の家に生まれた。幼い頃から刃物を使うことに慣れ、川で釣った魚を捌いて調理するなど料理の道に興味津々だったという。京都の老舗フレンチレストラン「ボルドー」で修業を積み、滋賀の「ブルーベリーフィールズ紀伊国屋」では料理長として活躍。2007年にオープンした店は、築100年を超える町家を生かした風情ある佇まい。和と洋がほどよくミックスされた空間で味わえるのは、名店ゆずりのクラシックな技法を大切にしたコース料理だ。「朝採りのものや土が付いたままのものなど、この作り手の野菜だからおいしいと思える『生きた野菜』を主役にしています。畑を訪ねると僕自身もパワーやインスピレーションをもらえますね」と井尻さん。
「野菜のテリーヌ」は季節ごとに素材を替えながら作り続けるスペシャリテ。3月から4月は、ホロホロ鳥に菜の花、春キャベツ、小松菜、カリフラワーなどを合わせ、カレー風味のクリームソースを添えてすすめる。温前菜の「鳥貝と春野菜の温製サラダ」は薄くスライスしたウドやソテーした花ワサビ、コゴミと鳥貝の組み合わせに和・洋のワサビでスパイシーに仕上げたビネグレットソースで変化をつける。「春野菜の苦みやアクは新しい季節に向かって体を目覚めさせる作用があるそうです」とシェフ。生命力あふれる野菜たちに元気をもらえそうだ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
記事更新/ 2015.3.18
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