世代を超えて愛されるうどんすき
東京・神楽坂 鳥茶屋
平たく大きな特注の鍋には17種類の具材がくつくつと煮え、なかでも迫力ある超極太のうどんが目をひく。やがて透き通った出汁と柚子の香りがふんわりと広がって、食欲をそそる――。「神楽坂 鳥茶屋」が昭和38年に神楽坂に店を開いて以来の名物・うどんすきは、食べる前から口福の予感に満ちている。心躍らせながら箸を運べば、海老、鶏肉、湯葉、よもぎ麩、下妻産のねぎなど、鳥茶屋定番の具材すべてにしっとりと出汁が染み込んでいて、それぞれの味わいを引き立てる。また、この「うどんすき」の大きな特徴となっている超極太うどんは、北海道・旭川産の地粉で作られていて、煮崩れることがない。食べ始めにはシコシコとした噛みごたえと豊かな小麦粉の風味、煮込んでからはやややわらかく、出汁と馴染んだ味わいへと、変化を楽しむことができる。
すべての食材を引き立てる出汁は、天然利尻産昆布とかつお節、そして少しの鯖節でとる。創業以来、ほとんどレシピを変えていないと言い、まさに「秘伝」だ。定番の「うどんすき」を組み込んだコースに加え、冬のぶり大根、春のタケノコの刺身など、季節の一品料理も人気がある。変わらぬうどんすきの味と旬のひと皿を求め、3代、4代で通うファンも多いという。
Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
記事更新/ 2013.12.18 (表示価格は2014.8.26更新)
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