数多の食通に愛されてきた寿司の名店
東京・銀座 銀座 久兵衛
かの北大路魯山人や吉田茂をはじめ数多の食通たちをうならせてきた名店。日本一有名な寿司屋といっても過言ではないだろう。そんな「久兵衛」のちらし寿司は、刺身とちらしが別の器で供される。カウンター越しに板前が手際よくネタを切り、美しく皿に盛り付けていく。中トロ、いか、かつお、かんぱち、車えび、たこ。どれもとびきり新鮮で噛むほどに滋味があふれ出す。重箱に詰まったちらしにも、「久兵衛」ならではのこだわりが秘められている。「にぎりの酢飯は江戸前の伝統を守り、酢と塩のみ。ちらしの酢飯は酢と塩に、砂糖を加えています。いちばんおいしい状態で召しあがっていただくための配合です」と二代目主人、今田洋輔さん。具材は卵、椎茸、つけ焼き穴子。ひとつひとつの味が主張することなく、酢飯としっかりなじんでいる。
その計算し尽した技こそ、老舗の心意気。さっぱりとした口当たりで刺身との相性も抜群。刺身とちらし、それぞれのうまさを堪能できる贅沢な一品である。
Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Asami Kanba
基本情報
記事更新/ 2012.2.20
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