「蟹桜真丈 すまし仕立て」。日月椀は、山中漆芸界の重鎮として活躍した昭和の名匠、呉藤友乗の作品

2013年に銀座一丁目に開業した「銀座いしづか」。瀬戸内から空輸される鮮魚など、産地直送の旬の食材を生かした日本料理店。ビル5階の入り口には、看板の下に北大路魯山人がデザインした鉄製透置行灯が飾られ、美しい佇まいに期待が高まります。

上／エントランス。ぽってりした石に店名を刻んだ看板と、北大路魯山人がデザインした鉄製透置行灯に迎えられる。下／季節の花や掛軸が飾られた店内は、カウンター10席とテーブル2卓

すがすがしい檜のカウンターで腕を振るう店主の石塚 規さんは、「紀尾井町 福田家」や「分とく山」などの名店で活躍した、この道25年のベテラン料理人。今回会員様のために特別にご用意したのは、お昼に人気の会席をベースとし、お造りをグレードアップさせた贅沢なランチです。

季節感あふれる料理を堪能

先付「うぐいす豆腐 梅肉あん 才巻海老」は、旬のうすい豆をつぶしてなめらかな豆腐に仕立て、才巻海老と桜の花の塩漬、百合根で作った桜の花びらをのせたもの。うすい豆の鶯（うぐいす）色にちなんだ「うぐいす豆腐」には、梅肉をのばした薄い餡がかけられており、梅や桜や鶯といったモチーフが春の風情を醸し出す一品です。

会員様限定ランチの先付「うぐいす豆腐 梅肉あん 才巻海老」

季節感あふれる先付や口取に続いて登場するお椀は、「蟹桜真丈 すまし仕立て」です。蟹真丈を桜の葉に包んで道明寺餅のような姿に蒸し上げた椀種は、遊び心あふれる演出が素敵。蟹桜真丈の隣には、ワラビ、椎茸、桜の花形の絹ごし豆腐が添えられ、お椀の中は春爛漫です。

「蟹桜真丈 すまし仕立て」

香り高いお椀を楽しんだあとは、瀬戸内直送のお造りの盛り合わせをどうぞ。日によって魚の種類は異なりますが、石塚さんのお造りは、厚めに切って食感と旨みを引き出すのが特徴。鯛は皮付きのまま湯霜造りにして身と皮の間の旨みを引き出したり、皮を除いてカラスミ粉をまぶすなど、手間をかけることでおいしさを増したお造りは「銀座 いしづか」ならではの逸品です。

お造りは通常6点盛りですが、今回の特別プランでは旬の魚介を7点盛り合わせて内容をグレードアップします。旬の鮮魚を存分にご堪能ください。

お造りの盛り合わせ。写真は鯛2種、さわらのタタキ、釣りアジ、トリガイ、コチ、ヒラマサ。染付けの器は京焼の窯元、叶松谷の作

焼物や強肴（しいざかな）に使われる魚も、瀬戸内から空輸されるもの。瀬戸内海には河川の水と共に豊富な栄養素が運び込まれるため、良質なプランクトンが育ち、旨み豊かな魚が育つそうです。
特別プランの強肴は、「金目鯛糀煮 若筍を添えて」。低温でゆっくり火を入れた金目鯛の麹漬けと、この時期ならではの若筍煮の炊き合わせです。脂の乗った金目鯛の香りと、若筍煮の心地よい食感をご満喫ください。

強肴「金目鯛糀煮 若筍を添えて」。金彩の桜花が華やかな器は貴古窯の京焼

ランチの食事の「筍の土鍋ご飯」は、旬の筍の甘みと香りが生きて、まさに春の味わい。食後には、季節感あふれる手作りの甘味もご用意します。春の味覚が詰まった贅沢なランチを、優雅な気分でお楽しみください。

木の芽が香る「筍の土鍋ご飯」。炊きたてのおいしさを味わって（写真は4人前）
※写真の料理はすべて4月のイメージ

店主　石塚 規（いしづか・ただし）さん
1976年、東京生まれ。祖父も父も料理人という家庭に育ち、自然と料理の世界へ。紀尾井町「福田家」を皮切りに、西麻布「分とく山」で研鑽を積む。東麻布「万歴龍呼堂」（現在閉店）を経て独立。「銀座 いしづか」で腕を振るっている。「平日のランチは女性同士のお客様にご利用いただいています。お気軽にご予約ください」

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Megumi Komatsu

〈美食百花 特別プラン〉

【開催日】2018年4月2日（月）→5月31日（木）
【時間】11：30～14：30（ラストオーダー13：00）
【料金】6,500円　※税・サービス料込

メニュー
・先付　・口取り　・お椀　・お造り　・焼物　・強肴　・食事（土鍋ご飯）　・甘味
※食材の入荷状況等により、メニューが変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。

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