魯山人の味を継ぐ関西割烹の伝統に新風を加えた口福
東京・新宿 新宿割烹 中嶋
北大路魯山人の「星岡茶寮」で初代料理長を務めた中嶋貞治郎さんが開いた「銀座 中嶋」。そこから分家した「新宿割烹 中嶋」では、現在、2代目の中嶋貞治さんが腕をふるっている。関西の割烹料理の伝統を守りつつ、新しい解釈も加えた料理は評判を呼び、ミシュラン一つ星も獲得。すべておまかせで提供されるディナーコースは、ひと皿ごとに四季折々の恵みが感じられるものとなっている。冬のコース料理の一品「蛤と鯛の小鍋仕立て中嶋風」は、昆布と鰹の出汁で鯛と蛤、水菜と九条ネギを炊き、卵を薄く流し入れたもの。香り立つ出汁から、くったりと煮られた冬野菜、小鍋の底に隠れた蛤に至るまで、冬の滋味がしっかりと感じられる。
締めのご飯の一品、「鯛茶漬け」では、二昼夜昆布締めにした鯛やヒラメの風味とともに、胡麻だれの味わいが広がり、思わずため息がもれる。伝統の技と創意工夫、中嶋さんが自ら築地に足を運んで選ぶ旬の素材が織りなす美味を求め、繰り返し訪れたくなる名店だ。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
記事更新/ 2013.11.18
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