渾身の技で食材の魅力を引き出したひと皿
東京・神楽坂 ル・マンジュ・トゥー
閑静な住宅街に立つ、白を基調にしたモダンな一軒家。それが、1994年のオープン以来、多くの食通に愛され、ミシュランガイドの二つ星にも輝くフレンチレストラン「ル・マンジュ・トゥー」だ。フランス・アルザスの三つ星レストラン「クロコディル」などで修業を積んだ谷昇シェフの料理は、「必要のないものは皿にのせない」とのポリシーもあり、一見シンプルだが、その実、素材のエッセンスを最大限味わえるよう工夫が凝らされている。ほどよく火が通ったピンク色が美しい「仔羊のグリル」は、強めの火でカリッと焼いたあと、熱して泡立てたバターにくぐらせ、15分ほど休ませる。均一に火が通った仔羊はやわらかく、噛むほどにうまみが感じられる。
また、ソースは仔羊の骨を焦がさないように焼き、その後、ゼラチン質が出るまで煮て、こした後、さらに煮詰めたものを使うという徹底ぶりだ。その日に入った食材を使い、手間と時間を惜しみなく注ぎ込んで仕上げるため、メニューはおまかせのディナーコースに限定している。わずか14席の店内で、行き届いたもてなしを受けながら、ひと皿ひと皿をじっくりと味わいたい。
Photo/ Kouhei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
記事更新/ 2013.4.18
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