和洋折衷の粋なメニューが京らしさを物語る老舗割烹
京都・木屋町北 河久(かわひさ)
四十余年にわたり、花街へ仕出しを行ってきた老舗割烹。舞妓さんの「揚げものも食べたい」というリクエストにより、京料理のお品書きに、洋食が自然とのるようになった。伝統の板前割烹と、繊細な洋食─この和洋折衷が柱となり、河久の料理は簡潔明瞭に成り立っている。花街でも人気の昼の「満月弁当」(予約すれば持ち帰りも可。3,150円)が有名だが、河久の“割烹”的真髄に触れるのなら、断然夜だろう。夏ならば鱧落としや鮎の塩焼き、寒くなれば海老芋やかぶら蒸しなど、正統な京料理が堪能できる一方で、洋食としては、写真の「ビーフシチュー」や「海老フライ」のほか、コロッケやポテトサラダ、鴨のロースまで、季節を問わない魅力的なメニューがずらり。
近所の常連のように、近江米の白ごはんを頼んで簡単な食事としても問題ないが、小皿をつまみに酒を飲み、会話に花を咲かせ、最後はお茶漬けやおにぎりで締めてもいい。まさに通(つう)のための、こなれた京割烹といえる。
Photo/ Katsuo Takashima
Text/ Noriko Yokota
基本情報
記事更新/ 2011.9.20
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