京野菜をはじめ、素材の味を生かした和風四川料理
京都・御所東 マダム紅蘭
裏千家・茶道会館の地階から、御所すぐ隣の現在地へ移転。菓子匠の本宅跡を改装したという数寄屋造りの店内にはゆったりとした時間が流れ、落ち着いて食事するにはぴったり。「マダム紅蘭」が地元の人々から半世紀以上も愛され続けてきた理由は、オーナーの林紀江さんが謳う、「香辛料控えめで野菜たっぷり」の和風四川料理にある。林さん自身、香辛料が全面に出た味が苦手ということもあるが、こどもから年配まで、家族で「また食べに来たい」と思ってもらえるような料理を提供していきたいという思いがあった。そのとおり、麻婆豆腐も辛さが控えめだが、その分、豚挽き肉や清湯(チンタン)のうまみがすっと引き立つ味わい。さらに、絹ごし豆腐をよく煮込んでいるのも、おいしさの要となっている。
じっくりと煮込まれた豆腐は水分と脂質が一体となってきめ細やかになり、ぷるんぷるん、とろんとろんの、やさしい食感に。豆腐もソースも、レンゲからつるんと流れるように、ゆるやかで、なめらかだ。京都随一の上品な麻婆豆腐を、ぜひご賞味あれ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Noriko Yokota
基本情報
記事更新/ 2011.10.20
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