「トスカーナ暖炉」で焼き上げるビステッカを堪能
東京・赤坂 ヴァッカロッサ
2013年、赤坂にオープンしたイタリアン「ヴァッカロッサ」。店内に入り、まず目を引くのが、薪をくべて肉を焼く「トスカーナ暖炉」だ。同店は、この暖炉で骨付き肉を焼き上げるトスカーナ地方の料理「ビステッカ」で知られている。薪暖炉のよさは、肉に圧力がかからないこと。暖炉内は高温だが、ゆっくりと熱が広がるため、肉が乾かず、繊維に肉汁が閉じ込められるのだ。使用する肉は、高知県産の土佐あかうし、北海道産の十勝若牛のみ。いずれも環境のよい場所でのびのびと育てられ、赤身のおいしさに定評がある牛だ。薪には、石川県で豊かな山林を育てるために間引かれた木を使い、肉の部位や種類により、ナラ・カシ・クヌギと種類を変えている。そうして約1時間半をかけて火を通した肉は、噛みしてはじめて肉汁があふれ、赤身の味わい深さを再認識させてくれる。
そんな「ヴァッカロッサ」で、「土佐あかうしのおいしさを知ってほしい」と供されているのが、ランチのハンバーグだ。ハンバーグには、土佐あかうしの肉のみを使い、熟成具合を見ながら、部位ごとにカット。肉からとれる網脂のみでつなぎ、トスカーナ暖炉で焼き上げている。「目指したのは、“ハンバーグの形をしたステーキ”で、しっかりとした歯ごたえがあります。土佐あかうしは筋繊維が細く、濃厚な味わいが魅力。噛むごとに広がる、肉そのものの味を楽しんでいただければ」と、シェフの渡邉雅之さん。口をさっぱりとさせ、胃の消化を助ける土佐生姜などの付け合わせも肉の味を引き立てる。ただし、土佐あかうしは近年、手に入りづらく、貴重なものとなっている。希望の場合、必ず当日来店前に、入荷有無の確認を。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
記事更新/ 2015.9.18
※表示価格は税(8%)・サービス料込み(昼はサービス料なし)の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。