シンプルでありながら遊び心をちりばめた料理
京都・今出川 縁
1987年のオープン時より、フォアグラやジビエなど日本料理では珍しかった素材をいち早く取り入れてきた鈴木健夫さん。自由な発想から生み出される料理は「くずし懐石」の名のもとに多くの人々を魅了してきた。2008年に京都御苑の近くに移転、「ひとりでおもてなしできる範囲で」とカウンター7席のみ、完全予約制で迎える。「いまは目新しい食材に頼らず、シンプルなものを大切にしたい」と料理のスタイルもより潔く。1月限定で供される、白子とかぶの鍋もそんな思いが伝わるひと品だ。タラとフグの2種類の白子をペースト状にして鰹出汁と合わせたベースで、あらかじめ昆布出汁で下味を含めたかぶを炊く。ふわっと広がるおろし柚子の香りのなんとすがすがしいこと。
濃厚な白子がさらりと品の良い出汁と一体となり、甘みを帯びたかぶの滋味をさらに引き立てる。赤楽の鍋と真っ白な出汁のコントラストも美しい。「お客さんがこれは何?と想像する楽しみを奪いたくないから」とあえて先に料理の説明をしないのも鈴木さんの流儀。きわめてシンプルでありながら、どこかにはっとさせる遊び心をちりばめた料理とカウンター越しに弾む会話、居心地の良さについ時間を忘れてしまいそうだ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
京都・今出川
縁
TEL. 075-411-1822
京都府京都市上京区烏丸一条下ル龍前町589
縁
TEL. 075-411-1822
京都府京都市上京区烏丸一条下ル龍前町589
記事更新/ 2013.12.18
※表示価格は税(5%)込み・サービス料別の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。
定休日:木曜、月末の水曜