中国料理の伝統と最先端のトレンドが織り成す新味
大阪・西天満 シーフ
「世界中どこにもないスタイルの中国料理を楽しんでいただきたい」と東浩司シェフ。郷土料理、宮廷料理など失われつつある中国料理の古典を一から見直し、現代のトレンドをほどよく取り入れた料理を旨とする。たとえば、青椒肉絲(チンジャオロースー)。従来は細切りにする牛肉をあえて塊のまま、低温の油でゆっくりと火入れすることで赤身の味わいを引き出し、油脂分も控えるという時代に合わせたアレンジが頼もしい。上海の伝統料理「乞食鶏」もシェフの手にかかると洗練された一皿に大変身。長時間かけて焼き上げるところを、30分強火で焼いて常温で休ませることを繰り返し、身をしっとりさせている。
鶏の中に詰める豚肉を鶏のミンチに変えることでジューシーな肉汁の旨みを表現。胸肉はフカヒレの煮込みをソース代わりに、揚げた渋皮栗の苦み、ハイビスカスのパウダーで酸味、ザクロの清涼感を添えて供する。一方、もも肉はカリッと焼いて山椒をふったものを豪快にかぶりつくスタイルで。鶏の骨はスープもしくは汁ビーフンであますところなく味わえる。ソムリエでもあるシェフが厳選した700種のワインと新感覚の中国料理とのマリアージュもぜひ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2013.12.18
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