盛り付け、味わい、食し方に、驚きをしのばせて
東京・銀座 銀座カンセイ
坂田幹靖シェフが店の顔として選んだトマトは、静岡県・石山農園の高糖度トマト。与える水分量を制限し、トマトの原産地アンデスに近い環境で育てられた、味濃く甘酸っぱいトマトだ。野菜の目利きに人一倍厳しい坂田さんは、栄養価の高さにも注目。そんなトマトをフレンチの一品として使うにあたり熟考したのは、味の際立ちと盛り付けの美しさ。「トマトのパルフェ」と名付け、カクテルグラスにあしらい、パルフェ(フランス語で完璧な、という意味)という名にふさわしい華やかな一皿に昇華させた。カットしたトマトに、やはり味が濃い季節の野菜を重ねていく。
てっぺんに配したトマトのソルベは、皮や種ごとミキサーで粉砕・攪拌しているため、口溶け感がとても楽しい。キャビアの塩気やクルミオイルの香ばしさは、トマトと好相性。オイルはトマトをつたってグラスの細い底にたまり、このジュースを最後にストローで吸う仕掛けになっている。前菜として出されるトマトのパルフェは、まさに坂田流・野菜フレンチのプロローグ。素材ひとつひとつを確かめながら味わってほしい。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Noriko Yokota
基本情報
記事更新/ 2013.6.18
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