和の素材が繊細な味わいを紡ぎだす、京都発信の中国料理
京都・河原町二条 一之船入
日本で初めて、町家でヌーベルシノワを提供した店として知られる「一之船入」。横浜中華街の出身で、広東・上海・四川・湖南と広く中国料理の経験を積んだ魏禧之(ぎ・よしゆき)さんが「京都から中華を世界に発信したい」と腕をふるう。16年前、オープン当初はフレンチの要素が濃かったというが、京の街で通用する中華を追求するうち昆布やカツオの出汁などに着目。和の出汁を含め、丁寧に引いた15種ものスープを、1種ずつ組み合わせて繊細な味わいを紡ぎだす。医食同源の考えのもと、素材は京野菜など安心できるものだけを吟味しているのもうれしい。テーブルに運ばれてきたとたん、キュンと酢が香り立つ酢豚はなんとトマト入り。
「イタリア料理のトマトソースにヒントを得ました」と魏シェフ。真っ赤に熟す前の酸っぱい京都産フレッシュトマトをふんだんに使うのがポイント。トマトの酸味と酢が織りなすあんが食欲をそそり、食べ進むうちにみるみる胃の働きが活発になるのがわかる。さらりとしているのにコクもしっかり、食べ飽きない酢豚。一度食べるとやみつきになりそうだ。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2013.4.18
※表示価格は税(5%)込み・サービス料別の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。