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江戸と京都の融和が生む、名門和食の美食と出会う このプランは終了しています

東京・日本橋  日本橋ゆかり

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石畳とつくばい、植栽が配されたエントランスを抜け、入り口をくぐると、和モダンなインテリアが広がる――。「日本橋ゆかり」は、入店時から、和の心地よさと、現代的感覚の融合を感じさせてくれる。同店の創業は昭和10年(1935年)。現在は、京都「菊乃井」で修業した三代目・野永喜三夫さんが腕を振るっており、三代続けて宮内庁への出入りを許されていることでも知られている。お昼の「ゆかり御膳」は、野永さんの代になって始めた比較的新しいメニューだ。「松花堂弁当には、前菜、刺身、焼物、煮物など、和食を構成する料理が揃っています。小皿を順番に出せば会席コースになりますが、それをあえて十字に区切った箱の中に入れ、和食の小宇宙を体現できるところが、お弁当ならではの魅力です」と、野永さんは話す。「ゆかり御膳」の特徴は、煮物や揚げ物などは温かいものを出していること。

内容は日替わりで、その一例、「豚の角煮」は、豚肉を蒸してから煮含めることで、さっぱりと肉本来の旨みを楽しめるひと皿だ。八丁味噌で酸味を、鹿児島県・徳之島産の黒砂糖でコクを加えており、煮汁の味わいは、フレンチのソースのよう。銀杏や海老しんじょうの彩りで錦秋をイメージさせるなど、季節の雅趣に溢れた盛り付けは、美しさとともに料亭らしい品格を感じさせる。また、現在、野永さんが力を入れているのが、「東京食材の再発見」だ。その試みが結実したのが、デザートのひとつ「江戸っ米ぷりん」。使われている食材は、「カトウファーム」(町田市)の卵、「磯沼ミルクファーム」(八王子市)のジャージー牛乳、「高月営農集団清流米生産部会」(八王子)の米と、すべて東京生まれ。好みにより途中でブランデーを加えると、大人のスウィーツへと姿を変える。和食の世界を凝縮した弁当、“都産都消”のスウィーツ。確かな技とたゆまぬ歩みで、創業80年を迎えてなお、「日本橋ゆかり」は新たな魅力を打ち出し続けている。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa

〈おすすめメニュー〉

[夜]ゆかり会席  10,800円
(お通・前菜・お椀・造り・焼物・酢物・留物・食事・水物)


※昼、夜ともに地下個室1階利用時別途サービス料20%、夜は1階利用時別途サービス料10%
基本情報
東京・日本橋
日本橋ゆかり
TEL. 03-3271-3436
東京都中央区日本橋3-2-14 KNビル1階
http://nihonbashi-yukari.com/

記事更新/ 2015.11.18
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