美食とおもてなし、和食の真髄にふれる
東京・日本橋 日本橋OIKAWA
2012年から、日本橋の一角でのれんを掲げる「日本橋OIKAWA(おいかわ)」。店主の笈川智臣さんは、「和食を食べるなら『OIKAWA』でと思っていただきたいんです」と話す。「熊魚菴 たん熊北店」などで研鑽を積んだ笈川さんの料理は、正統派の京料理。食材は、毎日笈川さん自らが築地市場に足を運び、その日予約をしたお客様の顔を思い浮かべながら選んでいるという。日本古来の季節感を大切にするため、西洋野菜は使わず、コースには風物詩や節句にちなんだひと皿が並ぶ。料理は素材のおいしさを引き出し、器や盛り付けで遊び心や華を添えるのが同店流。たとえば、椀物の一品、「すっぽん・フカヒレのスープ」はマイセンのスープ皿に盛り付けている。このスープは、スッポンを5~6時間煮たスープとフカヒレを組み合わせたもの。
あらかじめ蒸し煮にしてたっぷりとスープの旨みを吸わせたフカヒレと、ほろほろと崩れるスッポンのエンペラに、しみじみと滋味が感じられるひと皿だ。
素材の魅力をはっきりと感じられる同店の料理に欠かせないのは、手間ひま惜しまない下ごしらえ。食事に出される香の物のひとつ、「ジャコ山椒煮」に使う山椒は、ワンランク上の香りを求め、実を枝から取るところから手がけるなど、すべてが自家製だ。そんな「日本橋OIKAWA」が多くの人に愛される理由は、確かな腕前が生み出す料理はもちろん、笈川さんの人柄だ。たとえば季節や節句にちなんだ料理ならその由来を話しながら供する、夫婦での来店なら、香の物2人前をガラスの一枚皿に美しく盛り付けるなど、端々の心遣いが、会食をより楽しく、印象的にしてくれる。笈川さんが自らいける四季折々の花や、食事の最後に点てるお茶にも、もてなしの心が光る。この季節だけの料理、その場だけで生まれる語らい――。一期一会の喜びが、リピーターを生んでいる。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
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記事更新/ 2015.11.18
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