鮎、鱧、フグ、松葉ガニ、四季折々の旬魚を
東京・人形町 吉星(きちせい)
老舗が並ぶ人形町にある割烹料理屋「吉星」。月替わりのコースのほか、夏から秋にかけての鱧、秋から冬にかけてのフグ、冬の松葉ガニを楽しみに訪れる人も多い。素材は毎朝、築地に足を運んで仕入れており、例えばフグ料理には豊後水道であがる天然トラフグを使うなど、こだわりが光る。そんな吉星の夏を彩る食材のひとつが、鮎だ。同店では、基本的に岐阜の長良川、島根の高津川を中心に、清流で育った天然鮎を使用。その旨みをシンプルに味わうことができるのが、「鮎の塩焼き」だ。頭を下にして備長炭でじっくりと焼くことで、脂を全体に吸わせた鮎は、ひと口ごとに特有の甘みと香りが広がる。鮎本来の味をさらに引き立てるのが、フランス産の塩と甘塩をブレンドしたやわらかな塩味と、蓼(タデ)を使ったタレの爽やかな辛みだ。
味覚に加え、鮎漁に使うカゴに笹の葉を敷き詰めた盛り付けが、渓流の風情を食卓に呼び込んでくれる。また、夏にぜひ味わいたいのが、「鱧コース」。熊本・天草の黄金の鱧を中心に、淡路産や徳島産など、皮ばかりか骨もやわらかで脂が乗った鱧を厳選し、骨切りを行うのは「お客様の顔を見てから」。新鮮な鱧の甘みと身のやわらかさを「鱧湯引きと焼き霜造り」「鱧のしゃぶしゃぶ」などの料理により、心ゆくまで堪能できる。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
記事更新/ 2015.7.21
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