日本家屋をアレンジした一軒家フレンチレストラン
東京・自由が丘 ラ・ビュット・ボワゼ
「ラ・ビュット・ボワゼ」とは、フランス語で、「小高い丘にある、樹木に囲まれたレストラン」の意。昭和20年代に建てられた実業家の邸宅を利用しており、その名の通り、閑静な住宅街の坂の上に建ち、庭には木々が茂る。メインダイニングとなるのが、一面に広く窓が取られたサンルームだ。窓の外には、桜や梅、ツツジ、柿、蜜柑などの樹木に加え、つくばいが配され、静かでどこか昔懐かしい風情が漂う庭が広がる。オーナーシェフの森重正浩さんによる料理は、地域に根差した食材を使用する「キュイジーヌ・レジオナル」。野菜は森重さんが自ら畑で栽培したものや、秦野産のものを中心に使っている。ランチコースの前菜「函館産桜鱒のスモーク 夏野菜添え」は、燻製した桜鱒に、春の山菜であるイタドリ、畑でとれたスナップエンドウやオニオンヌーボー、丹沢産の筍などを彩りよく添えたもの。
ほどよく脂がのった桜鱒や、旬の野菜のみずみずしさを引き立てるのが、自生のクレソンを使った爽やかな苦みのある緑のソースだ。「お皿の上に、季節のストーリーを組み上げるのが好きなんです」と話す森重さん。桜鱒の淡いオレンジ、野菜の緑、白神山地に咲くカタクリの花の紫が調和する盛り付けは、初夏の山野を思わせる。さらに、客席に運ぶ際は、料理の上にガラス蓋をかぶせ、その中にスモークの煙を充満させて提供。蓋を開けると、霧のように煙が晴れ、彩り美しい料理が現れるという遊び心ある趣向だ。森重さんが、「私自身、毎日見ていても飽きることがないんです」と話す緑あふれる庭と、旬の美味が詰まった料理が織りなす心地よさ。ここだけで感じられる四季折々の喜びを求め、多くの人が繰り返し足を運んでいる。
Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa
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記事更新/ 2015.4.20
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