2006年11月にオープンした「レオーネ」は、まさに大人の隠れ家というべきレストラン。コースはカジュアルにメインとパスタを味わう7～8皿、高級食材を惜しみなく使った12～13皿の2種が用意され、内容は基本週替わりだ。「季節のおいしい食材をプロならではの引き算・足し算でよりおいしく」と吉川健太郎シェフ。料理のベースはイタリアンだが、食材・調理法・ハーブ・スパイスなど国境を軽やかに飛び越えて、新しい味の世界でもてなす。たとえば、この日の口直しに出されたサクランボウの冷製パスタ。「スイカに塩の発想です」と国産のサクランボウの甘さを引き立てるために少し塩を利かせている。

炙った鳥貝の上に海水雲丹とジュンサイ、鳥貝のひもからひいたジュレをあしらった一品は会席の先付を思わせる佇まい。小皿でテンポよく出される料理に合わせてスパークリング、白・赤のワイン、日本酒、デザートワインなどが出されるテイスティングコースもおすすめ。「今日はどんなおいしいものに出合えるかな？」とわくわくしながら出かけたい。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada