店名のチェディルアンとはチェンマイにあるタイで最も格式のある寺院の名前。2001年にオープンした店はヘルシーで繊細な味わいを持つタイ北部の料理をメインに据えている。料理を手がけるのは、ネイティブなチェンマイ料理に精通したタイ出身のシェフ。日本ではまだあまり知られていない本場のメニューも季節ごとに紹介している。「ゲーンハンレー」は豚肉を多用する北部の料理の中でも珍しい生姜を使った煮込みカレー。レモングラスの芳香、タマリンドの酸味、パームシュガーのコクが味に深みを増し、カー（南姜の根）と生姜の香りが重くなりがちな煮込みに爽やかさを添える。籠入りの餅米を合わせていただくのがチェンマイ流。甘みのある米とほどよい辛さが好相性、食欲をそそらせる。

自家製卵麺の半分を揚げ、半分をゆでてココナッツ風味のカレースープで絡めた「カオ ソイ ガイ」もまたチェンマイの名物料理。旅するような気分で味わいたい。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada