国の登録有形文化財に指定された石造りの洋館を生かしたレストランは平成17年のオープン。天井が高く、異国情緒あふれる空間で味わえるのはタイを代表する料理研究家、シーサモン・コンパン博士が監修するメニューの数々。厨房では現地のホテルなどで経験を積んだ女性料理長、パカマス・タンシリピンヨーさんらが腕を振るう。基本のレシピは現地そのものだが、辛さだけは控えめに。日本人にもなじみやすく工夫しているので初心者でも安心。もちろん、「もっと辛く！」というオーダーも可能だ。やわらかい殻ごと食べられるソフトシェルクラブを使ったカリーは定番の蟹と卵のカリーをアレンジした、この店ならではの一品。ベースのカリーにインド風のスパイスを駆使し、ミルクでこってりまろやかに仕上げている。

サクサク香ばしい蟹の歯触りや風味も楽しく、ライスなしでも食べられるほど辛みは抑えめ。ジャスミンライスと合わせるとスパイスがより香り立つ。グリーン、レッド、イエローと3種のカリーを少しずつ楽しめる「ミックスカリー」など心憎いメニューもぜひ。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada