2012年、関西ではまだ珍しかった“お酒が飲める蕎麦屋”として鴨料理をメインにオープンした「藤乃」。創業以来の名物メニュー「河内鴨のお鍋」の主役は、大阪府松原市に残る養鴨（ようおう）家「ツムラ本店」の河内鴨です。「広々とした鴨舎でストレスなく、人が食べても安全な無農薬飼料を与えて、75日間丁寧に育てられる河内鴨は、生でも安心してお召し上がりいただける自慢の素材です」と店主の藤田貴至（ふじた たかし）さん。朝締めの河内鴨をその日のうちに調理して新鮮な状態で提供しています。

「河内鴨のお鍋のコース」のスタートは、「前菜4種盛合せ」。河内鴨を中心に季節の野菜を使った品々が並びます。この日は、蕎麦粉で作った蕎麦豆腐に鴨の挽肉の餡をかけたもの、鴨のつくねとズッキーニの自家製タルタルソース添え、鴨の手羽元とセリときのこのお浸し、鴨のロース煮に甘辛いたれを添えたものなど。

続いて登場するのは、「河内鴨のたたき」。通常、生の鴨肉を提供することは少ないのですが、こちらでは健康に育てた鴨を新鮮な状態でご用意することができるため、レバーなどの内臓も楽しむことができます。しっとり上品で歯ざわりのよいささみ、皮目を香ばしく炙ったやわらかなロースはわさび醤油であっさりと。プリッと弾む食感で濃厚なレバーは、胡麻油と塩でいただきます。

河内鴨のお鍋のベースは、鰹節と北海道産昆布、干し椎茸から引いた関西風のうどん出汁。まず、つくねと北海道産ごぼうの笹がきを出汁に入れて炊きはじめます。なにわ伝統野菜の難波ねぎ、四万十産のセリを入れて煮立ってきたら、やや厚めにカットした河内鴨のロース肉を表面の色が変わる程度、ほんの10秒ほどサッと出汁にくぐらせていただきます。力強いごほう、香りの強いセリ、甘くとろりとした難波ねぎと鴨の脂の甘みや噛むほどにジューシーな肉のうま味が奥深い味わいを生み出します。

お鍋を食べ終わった締めには、残った出汁とかえし（蕎麦つゆのもとになるもの）を合わせて味を調えたつゆと冷たい蕎麦が用意されます。国産の蕎麦粉を用いた打ちたての手打ち蕎麦はつるりとのど越しよく、鴨の脂やうま味が凝縮された熱々で甘く濃厚なつゆと好相性。最後まで、河内鴨の魅力を堪能できます。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada

〈おすすめメニュー〉

「河内鴨のお鍋のコース」お一人様6,600円　※税込、ご注文は2名様より
・前菜4種盛合せ
・河内鴨のたたき（ロース、ささみ、レバー）
・河内鴨のお鍋
・〆のお蕎麦
・デザート（アイスクリーム）

※「河内鴨のお鍋のコース」は2時間制となります。
※食材の入荷状況等により、メニューが変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

〈カード会員様特典〉

ドリンク（店指定）を１杯サービス
※ランチタイムに「河内鴨のお鍋のコース」6,600円（税込）をご予約のうえ、ご注文の方に限ります。
※2～4名様

◆特典期間
2021年12月1日（水）→2022年1月31日（月）
除外日／2021年12月31日（金）→2022年1月4日（火）

◆営業時間
ランチ11：30～14：00（ラストオーダー）
ディナー17：30～21：30（ラストオーダー）、金・土曜日17：30～22：00（ラストオーダー）

◆定休日
年内無休、2022年1月1日（土・祝）→4日（火）

※ご予約の際は「タカシマヤのカード会員」である旨をお伝えください。
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