気品あふれる趣の店内で供されるのは、宮廷料理をはじめとしたオーストリア・ウィーンの伝統料理。この見目麗しい料理を手がけるのは、オーナーシェフの神田真吾さんだ。インスブルックやウィーンでの修業を経て、2004年には、生涯に一度しか受験できないオーストリア国家公認の料理マイスター試験に合格。2012年４月に「銀座ハプスブルク・ファイルヒェン」をオープンした。オーストリアの料理は、シンプルにして繊細。バターやクリームを多量に使わないので、味わいも軽やかだ。オーストリアの伝統的な食材であるパプリカをはじめ、野菜もふんだんに使われる。淡水魚を食材とすることも多く、10月からは秋のメニューも始まり、神田さんの手による多彩な料理がますます楽しみになる。

ウィーンといえば、お菓子のおいしさでも有名だ。スパイスの利いた「リンツァートルテ」（1,782円）や、とろりとした食感の「ケーゼトルテ」（1,890円）、「ザッハトルテ」（1,782円）など、食事のあとのお楽しみも充実（ケーキはコーヒーまたは紅茶とのセット）。ワインやビールなどもオーストリア産が揃い、日本にいながらにしてウィーンの雰囲気を味わい尽くすことができるお店だ。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Tomoko Ohashi