ゆったりと味わう“五味五色”の韓国宮廷料理
東京・神楽坂 松の実
1999年、神楽坂の一軒家にオープンした、「松の実」。ここでは、シェフの全芳江さんがひとりで腕をふるう韓国宮廷料理が食べられる。「韓国宮廷料理の特徴は、『五味五色』が揃っていること」と全さん。五味とは、甘い、辛い、苦い、しょっぱい、すっぱいの5つの味、五色とは、赤、白、黒、青、黄の5色を指す。この特徴がよくわかるのが、八角形の器の中央に皮を、その周囲に8種類の具材を配した「九節板(クジョルパン)」だ。ニンジンの赤み、モヤシの白、牛肉の黒、キュウリの青、卵焼きの黄色などの五色が映え、さらに、甘酢漬けのキュウリの「甘さ」、胡椒で調味したシイタケの「辛さ」など、五味のバランスを考えて味付けされている。皮にすべての具材を包んで食べることで、それらが「口内調味」され、溶け合う趣向だ。
同店の料理は、韓国に唐辛子が入ってくる前の、15~16世紀にかけてのレシピで作られている。さらに、日本で生まれ育った全さんが自身の味覚に合わせ、味噌や塩、砂糖などは日本のものを使用し、量を加減。そのため、体に染み込むようにやさしく、まろやかな味わいに仕上がっている。メニューはおまかせコースのみで、宮廷料理のほか、白菜のキムチや鮪とアボカドのユッケなどの家庭料理、薬膳料理である参鶏湯(サムゲタン)を組み合わせたものだ。さらに、同店は1日4組限定で、入れ替えはなし。神楽坂の路地裏ならではの静かな環境で、時間を忘れてゆっくりと過ごせることも、大きな魅力となっている。
Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
東京・神楽坂
松の実
TEL. 03-3267-1519
東京都新宿区神楽坂4-2
松の実
TEL. 03-3267-1519
東京都新宿区神楽坂4-2
記事更新/ 2014.09.18
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定休日:日曜