トルコ宮廷の伝統的なレシピを受け継ぐ
東京・麻布十番 ブルガズ アダ
世界三大料理に数えられるトルコ料理。なかでも、13世紀~20世紀初頭まで存在したオスマン・トルコで、時の皇帝のために作られた宮廷料理が味わえるのが、麻布十番の「ブルガズ アダ」だ。「トルコ宮廷料理は、スルタン(皇帝)の健康とアンチエイジングを考え抜いた料理。レシピは宮廷ドクターが考えたもので、とてもヘルシーなんです」と話すのは、「ブルガズ アダ」のマネージャー、ディキメン・裕子さん。提供するのは、オスマン・トルコが隆盛を極めた14世紀~17世紀ごろのレシピが中心だ。東西の食文化が出合い、融合した宮廷料理の特徴は、ローカロリー、ローオイルなこと。油はヴァージン・オリーブオイルのみを使い、スパイス、ハーブを多用し、各種食材の食べ合わせも考えて構成。肉は赤身が好まれ、脂身は極力排されたという。
秋のメニュー「焼林檎と仔羊芯ロースのグリル」も、そんな一品だ。やわらかな仔羊ロースを、リンゴや野菜のすりおろし、オリーブオイル、ローズマリーに軽く漬け込み、グリルでジューシーに焼き上げることで、赤身の旨みをしっかりと閉じ込めている。「当時のレシピを受け継ぎつつ、現代にマッチするよう、自分で『おいしい』と感じる味にアレンジしています」と、シェフのメフメット・ディキメンさん。ハーブや調味料の調和がとれたやさしい味わいと、さっぱりとした後味は、日本人にも馴染みやすいものとなっている。トルコ宮廷の伝統的なレシピを受け継ぐシェフは、世界でわずか20人弱。トルコ国外で食べられるのは世界でここだけとなっており2014年1月には、エルドアン・トルコ共和国首相(当時)も来日の際に同店を訪れている。また、同店では日本で珍しいトルコワインも用意。かの地の美酒とともに、在りし日の栄華が生んだ味に舌鼓を打つことができる。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
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記事更新/ 2014.09.18
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