2012年の4月にオープンしたイタリア料理「リストランテ ウミリア」。店名は、横浜のシンボル“海”とシェフが修業した“イタリア”を合わせた造語。白を基調としたシンプルモダンな店内。大きなガラス窓には、クイーンズスクエアや高層ビル群の明かりが、星のように映り込む。厨房で腕を振るうのは、イタリア・ジェノバのミシュラン星付きレストラン「バルディン」で修業したシェフ小口貴文さんをはじめ、ジャパンケーキショーでの受賞経験のあるパティシエ平林 昇さんら5人のスペシャリスト。イタリアの伝統料理をベースに、前菜、パスタ、メイン、デザートとそれぞれ5人が各パートに分かれ、ひとつのコースを作り上げていく。夜の看板メニュー「ウミリアコース」は、前菜から始まり、デザートまでの7品の構成。

メニューリストには、「幸せのはじまり」「大地からの贈り物」「海の花束」など料理をイメージさせる言葉だけが添えられ、そのアンサーとして、料理が登場する。「ウミリアコースは、お店をオープンするにあたり、1年間かけてメニューを練り上げたお店を体現するコースです。お客様には、その言葉と料理のマッチングをぜひ味わっていただきたいです」と小口シェフ。写真は、「ウミリアコース」の一品「海の花束＝濃厚な渡り蟹のアーリォ・オーリオ ３種のタリオリーニ」。レモン、蟹のソース、青海苔を練り込んで手打ちされた3種類のパスタを、蟹の出汁とコンソメをベースにオリーブオイルで仕上げた料理。それぞれ個性が際立つパスタと濃厚でコクのあるソースとの相性が抜群。上にのせた蟹味噌のチュイルがアクセントに。メニューリストに並ぶ、フレーズに思いを馳せながら、おいしいサプライズを楽しみたい。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ HEARST FUJINGAHO