2005年、京都・東洞院通り沿いにオープン。京町家の佇まいをそのまま残した建物の入り口には、世界最古の薬局と伝えられるイタリアの「サンタ・マリア・ノヴェッラ」のショップがあり、ハーブの香りが漂うなか石畳みを進むとその奥にリストランテがある。天井に組子障子をあしらい、白い壁と木でしつらえられた空間にはオープンキッチンのカウンターがあり、厨房の活気を身近に感じられるのもうれしい。料理のコンセプトは「野菜をたっぷり使い、体の中から健康に」。「店名のティサネリーアはイタリア語で『ハーブ商』を意味します。サラダにはもちろん、肉を焼くときにも香りをまとわせるなど、多彩なハーブを使っています」と柿谷修平シェフ。

素材は、上賀茂の農家直送の京野菜など地産地消を中心にしており、サラダのドレッシングに京都の柚子を使ったり、バーニャカウダの隠し味にもろみみそを用いるなど、京都らしいアプローチを心がけているという。昼・夜のコースの前菜、「25種類の野菜とハーブのサラダ」には、サラダえのきや赤水菜など珍しい野菜も。野菜やハーブ、魚や生ハムなどの具材は時々に変わるので、訪れるたび新しい発見がありそうだ。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada