幅広い世代に愛される人気店「洋食Katsui」の姉妹店として2011年にオープンした「御堂筋ロッヂ」。「大人が主役になれる食の空間を作りたい」というオーナーシェフ・勝井景介さんの想いを形にしたものだ。地下鉄・心斎橋駅に近いビルにありながら、地下の奥まった場所に位置する店は、まさに隠れ家のような佇まい。薪の束が積み上げられたエントランスから中に入ると、広がるのは温かな明かりに包まれた山小屋のような空間。外の喧騒が嘘のように思えるほど、ここでは静かな時間がゆったりと流れている。「洋食Katsui」ゆずりのメニューを少しずついろいろ小皿で味わえる月替りのコースや、シェアして楽しめるアラカルトも充実。「お昼から宴会コース」も好評だ。

名物メニューの「ビーフシチュー」に使われるのは、黒毛和牛のねじ（ネック）と呼ばれる固い部位。1キロの塊にカットしたものの表面をこんがり焼き、煮崩れないよう注意しながら3～4時間じっくり煮込んでいる。肉の旨みと野菜の甘みが織りなす、こっくりと濃厚なソースと繊維がほぐれるほど柔らかくボリューム感のある肉。定番のマッシュポテトのほか、バターソテーした季節の野菜がたっぷり添えられているのもうれしい。

Photo/ Satoshi Yasukouchi
Text/ Sawako Yamada