食材と真摯に向き合い、その時季ならではの味わいを引き出すことで、フレンチのひと皿に仕上げる――。「レストラン リューズ」は、「ラトリエ　ドゥ　ジョエル　ロブション」で料理長を務めた飯塚隆太さんの確かな腕が評価され、ミシュランガイドで4年連続二つ星に輝く名店です。スぺシャリテ「椎茸のタルト仕立て」は、飯塚さんの出身地、新潟県産の肉厚な八色椎茸を使った料理。厚めに切った椎茸を、パンチェッタやマッシュルームなどとソテーし、タルトに。下に敷かれたさっくりとしたパイ生地とともに口に運ぶと、八色椎茸の旨みが濃厚に広がります。「冬は蟹やカリフラワー、根菜類がおいしい季節」と、飯塚さん。旬の食材が、飯塚さんの技術と発想でどんな顔を見せるのかを楽しみに通うファンも多いのだとか。また、フランス産を中心に200種類以上が揃うワインも、料理をより引き立ててくれるもの。

店内は、ウッディな床と、黒基調の壁を組み合わせた、モダンかつ落ち着きのある雰囲気です。「お客様のお食事のペースや表情がよく見えるように」と、キッチンはオープンにし、フレンチレストランとしては珍しいカウンター席も備えています。店名は、時計で重要な役割を担うパーツ「リューズ」から。季節の美味との驚きに満ちた出合いと上質な空間、そして心のこもったサービスが、非日常の時を刻みます。

Photo/ Kohei Nakamoto,Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa