フランス料理の技法と和の感性を融合
東京・銀座 玉木
「日本の風土に合った、日本人が本当においしいと思えるフランス料理を」と、玉木 裕さんが開いた「玉木」。フランスでの修業や国内のフレンチレストランに加え、原宿の日本料理店「重よし」で3年勤めた経験もある玉木さんの料理は、魚の下ごしらえにかつおだしを使うなど、柔軟なもの。なるべくバターや生クリームを使わないことも特徴で、メニューは「オイル」と「ノンオイル」にカテゴリー分けされている。「神戸牛のビーフシチュー」でも、牛肉を炒めるときは油を使わない。神戸牛のバラ肉を、煮込んでも崩れにくいよう、5センチ大と大きめにカット。フォン・ド・ボーにたっぷりの赤ワイン、別に炒めた玉ねぎやセロリなどを加えて煮込む。
そうしてできあがったビーフシチューは、こっくりとした味わいのなかに、赤ワインの酸味が立ち、肉の繊細な旨みが際立つもの。同店では、同じく神戸牛を使った「神戸牛のメンチカツレツ」も人気だ。また、季節野菜をレモンと酢で蒸し煮にした「野菜のエチュベ」のように、素材本来の味と食感を引き立てる料理も、玉木さんの得意とするところ。「肩ひじ張らず、くつろいで召しあがってほしい」との思いから、料理は箸を添えて提供している。アラカルトでもコースでもオーダーできるため、その日の気分や場に合わせ、好きなものを食べられるのもうれしい。フランス料理の技法と和の感性、季節の野菜が織りなすこの店ならではの料理を、ソムリエの資格をもつ玉木さんが選ぶワインとともに、リラックスしながら味わいたい。
Photo/ Akinori Maekawai
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
掲載日/ 2016.10.18
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