九州の素材でつむぎ出す多彩な料理
大阪・本町 ラ シーム
店名の「ラ シーム」はフランス語で「頂上・山の頂」を意味する。オーナーシェフの高田裕介さんは、大阪やフランスで研鑽を積み、2010年に「ラ シーム」をオープンした。当初は、ビストロのようなカジュアルな雰囲気であったが、2016年1月の改装を経て、モダンでシックな空間が実現、個室も加わった。料理は昼・夜それぞれ1種類のコースのみ。フランス料理の古典を深めながら、現在進行形の技術を駆使し、ひらめきを形にした品々が供される。奄美大島出身の高田シェフが意識的に使うのは、九州の食材。「私が生まれ育った土地で、味わってきた豊かな食材をフランス料理のテクニックで昇華させていきたい」と目を輝かせる。
写真上のハトを使ったひと品には奄美の郷土の味・なりみそ(赤いソテツの実をみそに混ぜたもの)が添えられる。脂を丁寧に取りのぞき、クセを抑えたハトに存在感のあるピーナッツの食感も楽しいみそがよく合う。鹿児島産の黒毛和牛フィレ肉の前菜では、燻製にした肉の下に奄美のきび酢でマリネしたビーツのやさしい酸味を添え、肉の上には揚げたビーツで食感の楽しさを演出。かつおだしと牛のコンソメがベースのソースで、脂っぽくなりがちな和牛もさっぱり、旨みがしっかり味わえるのがうれしい。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
掲載日/ 2016.8.18
※表示価格は税(8%)込みです(個室以外はサービス料なし)。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
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