約1万坪の日本庭園に囲まれた、東京・白金台の八芳園。エントランスすぐに位置する「スラッシュカフェ」は、店内のどの席からも庭園の豊かな緑を眺めることができ、都会の喧騒を忘れさせてくれるレストランだ。爽やかな朝からランチタイム、ティータイム、キャンドルが揺れるディナータイムまで、リラックスした雰囲気のなか過ごせる憩いの場として、多くの人でにぎわっている。提供される料理は、「ファーム・トゥ・テーブル」をコンセプトに、毎日農園から届く野菜を使っている。東京・国分寺市で自家堆肥を使った有機低農薬栽培をしている「小坂農園」の野菜を中心に、旬の食材がたっぷり。ランチタイムからティータイムのアラカルトメニュー「農園野菜とビーフの雑穀米カレー」（写真上）は、スパイスを利かせつつサラリと爽やかに仕上げた、こどもから大人まで幅広い層に人気のメニュー。

ほどよいとろみのルウが素揚げした季節野菜と十六穀米を包み込み、軽やかな味わいに仕上がっている。ヘルシー感がありつつも、ほどよくかみ応えを残したビーフがゴロゴロと入っており、レストランならではの贅沢も十分に感じることができる。ランチタイムは、アラカルトのほか、野菜をふんだんに使ったコースも味わえる。春夏は、庭園を見下ろすウッドテラスが気持ちのよい季節。晴れた日には、やさしい味わいの料理とともに、青空と、木々を吹き抜ける風を堪能したい。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa