店主の心遣いといただく軽やかな天ぷら
東京・虎ノ門 天ぷら 逢坂(おおさか)
神田「天政」などで修業を積んだ大坂彰宏さんが、2001年、虎ノ門にオープンした「天ぷら 逢坂」。同店の天ぷらの特徴を、大坂さんは、「とにかく軽やかなこと」と話す。揚げ油には、綿実油と太白胡麻油を半々ずつ、衣の卵には、放し飼いで育てられた平飼い鶏のものを使う。小麦粉と水の配分や混ぜ方は、湿度や気温に応じて細やかに微調整を重ね、さっくりとした天ぷらに仕上げている。魚介類は築地から毎朝仕入れ、春先のコースには、ほんのりとした甘みを衣が引き立てる白魚や、ほろ苦さが旬を感じさせる山菜が並ぶ。同店のコースは、天ぷらのみで構成される「松」と、そこに刺身が加わった「竹」の2つ。
しかし、近年では、ご飯を食べないお客様が増えたため、「松」コースの締めのご飯を省き、かわりに刺身を組み込んだコースも提供している。「お客様のお好みにあわせて選択肢があったほうがよいと思ったんです」と大坂さん。アルコールの品揃えにも、その想いは表れている。大坂さんが厳選した日本酒や焼酎はもちろん、ワインについても、天ぷらと相性のよい白はもちろん、赤やシャンパンも揃う。また、近年人気の「KENZO ESTATE」のワインを赤、白、ロゼまで扱うなど、お客様の求めるものを敏感に取り入れている。季節の味覚と、店主の心づくしのもてなし、ふたつのご馳走をゆるりと楽しめる。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
掲載日/ 2016.4.18
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