東京、大阪、神戸のホテルやレストランで経験を積んだ内田法明さんが2007年、大阪・東三国にてオープン。2013年に現在の江坂公園の近くに移転した。広東料理をベースに、四川などの要素も取り入れ、メリハリの利いた味の世界を展開する。「料理とお酒をゆっくり楽しんでいただき、お腹に優しいお粥で締めてもらえたら」と定番料理、黒板に書かれた季節のメニューともに、紹興酒をはじめワイン、ビールなどお酒が進むものが並ぶ。「和歌山県産鮎のカリカリ揚げ ホット葱ソース」は初夏から登場する人気の品。主役の鮎は揚げたときにパサつかないよう、ほどよくしっとりと脂がのったものを選ぶ。「ハタなどの魚をまるごと揚げてネギソースでいただく香港の料理から、発想を得たものです。鮎の持つ独特のヌメリが揚げるときにいい感じに膜を張り、衣の代わりになるんですよ」と内田さん。

素揚げの鮎の上にたっぷりの白ネギを。熱して香り出ししたネギ油と特製の醤油ダレをかけて仕上げる。頭からまるごとバリバリいただける香ばしい鮎に醤油ダレが絡み、鷹の爪の辛みがピリッときいて、酒肴にももってこい。年に一度は香港に出向き、現地の食材や新しい料理との出合いから刺激を受けるという内田さん。その料理は常に進化し続けている。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada