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素材本来の旨みを引き出し、生かす珠玉の料理 このプランは終了しています

京都・烏丸御池  一子相伝 京の味 なかむら

京料理「なかむら」の歴史は文化文政の頃にはじまる。調味料や出汁を使わず、白味噌と水だけで練り上げた名物「白味噌雑煮」は代々「一子相伝」を守り続けてきた逸品、その奥深い味わいは時代を超えて愛されている。「鱧はグジと双璧、どんな料理法でもおいしくいただける魚ですね。夏の鱧はあっさりと清涼感がありますが、私は脂がしっかりのった9月の鱧が一番おいしいと思います」と6代目主人・中村元計(もとかず)さん。店で使うのは主に淡路島産の鱧だが、「その時々の鱧の状態と相談しながら」ひと工夫凝らすという。お椀の「鱧の葛たたき」は骨切りした鱧の周りを葛で包んで旨みをとじ込め、カツオと昆布の出汁で供する。葛板で巻いた雲丹は鱧と相性の良い素材。口の中でやさしくほどける鱧、雲丹の風味、新ジュンサイのみずみずしい食感や青柚子の清々しさが心地よいひと品だ。

特別誂えの銅釜で炊き上げる御飯「鱧まぶし」は鱧の焼き方に中村さんならではの手法がある。「脂がしっかり乗る前の鱧の旨みを十分引き出すために」180℃で焼いた鱧の骨を太白胡麻油に漬けて作った特製オイルを鱧に塗りながら焼く。「米のおいしさも味わってほしい」とあえて鱧から引いた出汁は使わずに炊き上げたご飯に、焼いた鱧、醤油とみりんのタレをまぶし、ミョウガと三ツ葉をたっぷりと。こうばしい鱧の旨みと醤油の香り、ミョウガや三ツ葉の香気があいまって箸を持つ手を弾ませる。

Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada

基本情報
京都・烏丸御池
一子相伝 京の味 なかむら
TEL.075-221-5511(前日までに要予約)
京都府京都市中京区富小路御池下ル
http://www.kyoryori-nakamura.com

記事更新/ 2015.6.18
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