祇園仕込みの料理とお酒を気軽に楽しむ
京都・五条 むろまち 加地
京都・松原通りに面した店はモダンな佇まい。千鳥が描かれた暖簾をくぐると、ふんわりと優しい出汁の香りが迎えてくれる。祇園の料亭「鳥居本」、「祇園 にしかわ」で経験を積んだ店主、加地貴志さんは地元の出身。2011年、「祇園で学んだ最上の料理とお酒を気軽に楽しんでほしい」と念願の店をオープンさせた。活気あふれるカウンターに着くと、今日はどんな美味に出合えるのか? と胸が弾む。お品書きには旬の素材を生かした造りや焼物、蒸物、酒肴などが並び、コース仕立てでしっかり食事を楽しむ人もいれば、お酒と肴で軽く一献傾ける人も。京の冬に欠かせないカブラ蒸しはほっこりすると女性客を中心に人気がある。
「風味が良く、ほんのりとした甘みが口に合うので」と加地さんが選んだのは、近江カブラ。合わせる魚は京都らしく甘鯛を贅沢に使う。もっちり仕上げたカブラの中には「食感の楽しさを」とアワビ茸と銀杏が。金時人参の千鳥、菜の花、山葵をあしらい、銀餡を掛けてすすめる。器のふたを取ると優しく広がる出汁の香りがなんとも幸せな気分に誘う。「日本料理の基本を守りながら、和の食材の中に遊び心を」と加地さん。タケノコや新タマネギなど春に向かって出揃う素材がどんな変化球で登場するのか、楽しみは尽きない。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2015.2.18
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