中目黒でなかなか予約を取ることができないイタリアン、「イカロ」。ミシュランガイドの一つ星レストランとしても知られる。店内は意外にもアットホームな雰囲気で、周囲の壁には空けたワインボトルがずらりと並ぶ。店を切り盛りするのは、マネージャーの宮本宗隆さんとシェフの宮本義隆さん兄弟だ。北イタリアで約7年経験を積んだ義隆さんが目指すのは、「イタリアらしい料理」。そのため、ウサギや鳩など、日本では馴染みが薄いがイタリアではポピュラーな食材も多用し、和の食材を無理に取り入れることはしない。メニューは旬の素材を使った季節のものが中心で、常時14、15種類が揃うパスタは、その半数ほどに手打ちパスタが使われている。

そんな「イカロ」の春パスタのひとつが、「タリアテッレ グリーンピースのソース うさぎのラグー添え」だ。卵黄を多めに使った絶妙な歯ごたえの手打ちパスタに、みずみずしいイタリアン産グリーンピースのピューレと、香ばしいうさぎのラグーが絡み合い、季節野菜のフレッシュさと肉の滋味をしっかりと味わえるひと皿に仕上がっている。シンプルで力強い料理を引き立てるのが、宗隆さんが選ぶイタリア産中心のワイン。このコンビネーションを求めるお客で、連日、店は賑わっている。

Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa