料理長木村巧さんが心がけるのは茶懐石を軸にした“五感が喜ぶ”料理
東京・西麻布 西麻布割烹たくみ
一日10食限定で、旬の魚を使った押し寿司を昼に供する割烹たくみ。11月後半から翌年の2月末頃までは、脂の乗った寒鰤が登場する。産地は時期により異なるが、主に富山の氷見。期待をもって口に含めば、想像した“押し寿司の味”をよい意味で裏切ってくれる。とがった酸味がなく、まろやかで上品な口あたりと味わいが余韻を残す。「黒糖を少し加えた酢で締めて、味に丸さや、やわらかさを出しています」と語る木村 巧料理長。大阪の老舗料亭、花外楼で茶懐石を学んだ氏のベースは関西料理。「押し寿司もその影響が大きいですね。旬の魚はシンプルな料理でもおいしいですが、さまざまな味を楽しんでいただきたくて」。
有名ホテルの料理長を長く務めたのち「お客様により近い場所でおもてなしをしたい」と開いたたくみでは、茶懐石を軸にしながら“五感が喜ぶ”料理を心がけているという。華やかな盛り付けや洋食器を取り入れたプレゼンテーション……日本料理の基本と旬の素材に、独創的なアイデアが一体となって醸す味わいは、木村氏の掲げる“一期一会の味”そのもの。押し寿司に添えられる色とりどりの八寸や和洋の要素をもつデザートも、きっと嬉しい驚きと喜びを舌にもたらしてくれるはずだ。
Photo/Akinori Maekawa
Text/ Naoko Monzen
基本情報
記事更新/ 2013.1.18
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