洋食の定番として人気の「シーフードドリア」と「スパゲッティ ナポリタン」、生クリームやアイスクリームで飾った「プリン ア ラ モード」 は、どれもホテルニューグランドが発祥のメニュー。大きな窓から外光が注ぐ本館１階のコーヒーハウス「ザ・カフェ」では、心温まる味わいの伝統的な洋食をはじめ、多彩なメニューを１品から気軽に楽しめます。

寒い季節に特に人気の「シーフードドリア」は、ホテルニューグランドの初代総料理長サリー・ワイルさんが考案した料理。体調を崩した外国人客のために、「喉の通りのよいものを」と考えた総料理長が、バターライスに海老のクリーム煮をのせ、グラタンソースとチーズをかけてオーブンで焼いたのが始まりです。即興で生み出されたこの料理は大好評を博したため、ホテルの名物料理のひとつとして定着。その後、ホテルから独立した弟子たちが各地で提供したことにより、全国に広まったのだとか。

「ザ・カフェ」の「シーフードドリア」は、自家製の２種のソースを使い、大きな海老と帆立の食感を生かした贅沢な味わい。魚介を使ったオレンジ色のソースの上には、ベシャメルソースとサバイヨンソースを合わせたまろやかなソースがかけられ、チーズのコクと香ばしさがアクセントになっています。

もうひとつの名物である「スパゲッティ ナポリタン」は、戦後に活躍した２代目総料理長、入江茂忠さんが生み出したメニューです。進駐軍によって広められたケチャップスパゲッティを、ホテルで出す料理としてふさわしい味に磨き上げるため、ケチャップの代わりにトマトの風味を生かした自家製ソースを使ってアレンジしたのが「スパゲッティ ナポリタン」。現在一日に平均100食売れているというこのスパゲッティは、風味豊かなトマトソースと厚切りロースハム、玉ねぎ、マッシュルームのうま味が一体となって絡んだ、コクのある味わいです。

２代目総料理長が考案した「スパゲッティ ナポリタン」。具材のうま味とバターの香りがリッチな味わい。特製のソースはにんにくと玉ねぎのみじん切りを飴色になるまでよく炒め、トマトの粗切り、トマトホール、トマトペーストを加え、ロリエとたっぷりのオリーブオイルを入れて煮込んだもの

「ザ・カフェ」の長谷信明（ながたに・のぶあき）料理長によると、パスタはあらかじめ茹でおきしたものを使うことで、もっちりとした食感になるそう。「ザ・カフェ」の「スパゲッティ ナポリタン」には、仕上げのバターも欠かせないのだとか。

デザートやティータイムに人気の「プリン ア ラ モード」も、戦後の歴史と深い関わりをもつメニューです。ホテルニューグランドはGHQ（連合国軍最高司令官総司令部）の宿舎として7年間接収されていたため、当時のパティシエは将校夫人が喜ぶデザートを出す必要がありました。そこで考案されたのが、「プリン ア ラ モード」。見た目の華やかさと同時にボリュームを出すため、カスタードプリンにアイスクリームや生クリーム、果物を組み合わせたデザートです。

盛り付けにコルトンディッシュという前菜用の器が用いられたのは、「プリン ア ラ モード」のボリュームに対して、従来のデザート皿が小さすぎたため。“ア・ラ・モード”（現代風）という名前は、その華やかで洗練されたスタイルに由来しています。卵の風味が豊かなカスタードプリンとアイスクリーム、生クリームの組み合わせは、時代を超えて愛される普遍のおいしさ。老若男女に人気の“元祖の味”を、コーヒーハウス「ザ・カフェ」でご堪能ください。

Photo/ Reiko Masutani
Text/ Megumi Komatsu

〈おすすめメニュー〉

「シーフードドリア」2,783円
「スパゲッティ ナポリタン」2,178円
「プリン ア ラ モード」1,633円

※すべて税・サービス料込
※食材の入荷状況等により、メニューが変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。

〈カード会員様特典〉

コーヒー・紅茶またはミニバニラアイスをサービス
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◆特典期間
2021年2月1日（月）→3月31日（水）

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