【美食百花 特別プラン】端正な料理と和菓子で 愛でる味わう京の秋
京都・二条寺町 京料理 二條ふじ田
季節の移ろいを端正に紡ぐ料理が心に響く「二條(にじょう)ふじ田」。地元の方はもちろん、観光客も信頼を寄せる割烹として知られています。店主の藤田敏晴さんは、趣味の菓匠「二條若狭屋」の次男として生まれ、幼い頃から季節感を大切にする京の暮らしに親しんできました。「和菓子と料理のコラボレーションでひとつの世界を作れたら…」と料理の道に進んだといいます。木屋町の寿司割烹「蘭」で修業した後、1999年29歳で独立しました。
店を構えるにあたり、この場所を選んだのは実家からも近く、京都三名水のひとつ梨木神社(染井の水)のお膝元で良質な水に恵まれているから。「お菓子も料理もお水が基本だと思います」と藤田さん。厨房に掘った井戸からくみ上げる清らかな水が、その料理を支えています。
完全予約制で迎えるランチタイム、献立のスタートを飾るのは小さき品々をちりばめた前菜(写真は初秋のイメージ)。野菜や魚など選び抜かれた素材を用い、ひと品ごとに細やかな仕事が積み重ねられています。目にも楽しく滋味豊か、「これは何かしら?」と箸を持つ手も弾みます。
吸い物、おすすめの一品をいただいた後に登場するのは、修業先で培った技を生かしたちらし寿司。雅な仁清焼のふたを開けると、美しい彩りに目を奪われます。えびやイカなどお刺身の内容が時期によって変わるのも楽しみ。甘辛く煮た椎茸を細かく刻んで混ぜた酢飯はしっかりとした味付けで、両面を焼いてふんわり仕上げた金糸玉子と好相性。厚めに切ったキュウリをあしらうことでパリパリとした食感が加わります。
コースの最後には、「二條若狭屋」の季節の和菓子とお抹茶が供されます。「こずえの錦」は、紅葉の彩りをきんとんで繊細に表現したひと品。9月の緑から10月は黄色とオレンジが混ざり合い、秋が深まるにつれ赤く染まりゆく紅葉が時期を追うごとに楽しめるようにと趣向を凝らします。数人でお越しの場合は、めいめいに異なる和菓子が提供され、会話を盛り上げます。
店内は1階に檜の一枚板を用いた清々しいカウンター10席とテーブル5席。2階には6畳と8畳の個室があります。カウンターの背部にある季節の食材をモチーフにした日本画や2階に飾られた竹内栖鳳や神坂雪佳の作品など藤田さんの祖父が集められたという貴重な品々が凛とした空間に彩りを添えます。
ちらし寿司の器は昼夜サイズを変えて京焼で特別にあつらえたもの。夜は青紅葉や瓢箪が描かれたものなどが使われます。そのほかにも、四季折々の美しい器が次々に登場。旬の食材で綴る料理とともに、今この季節をしみじみと実感させてくれます。京料理ならではの丹精込めた美味と雅なちらし寿司、愛らしい和菓子で京の秋を存分にお楽しみください。
10月にはもみじ鯛など魚の脂がのっておいしくなり、松茸も出てきます。食材が豊かで献立づくりは何を選ぼうか?とうれしく悩む季節です。食欲の秋・味覚の秋にふさわしい料理でお迎えしたいと思います。
Photo/Katsuo Takashima
Text/Sawako Yamada
〈美食百花 特別プラン〉
【開催日】2017年10月1日(日)→2017年11月30日(木)
【時間】11:30~13:00(ラストオーダー)
【ご優待】4,320円 ※税込(サービス料なし)
メニュー
・前菜 ・吸い物 ・おすすめの一品 ・焼き物 ・ちらし寿司 ・赤出汁
・和菓子とお抹茶
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掲載日/2017.9.19
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