和の情緒のなか味わうふぐ尽くし
東京・浅草 浅草 茶寮一松
1959年より、浅草・雷門のほど近くに店を構える「浅草 茶寮一松」では、入り口の門をくぐった瞬間より、喧騒を離れた時間が始まる。日本で女性初のふぐ調理師免許を取得したのは、二代目の大女将というこの店で、冬の名物となっているのが、ふぐ料理だ。ふぐは天然ものにこだわっているため、1日2組限定。ふぐ刺し、唐揚げ、ふぐ鍋のふぐ尽くしで、その旨みを余すところなく堪能できる。ふぐ鍋の後は、20分かけてゆっくりと炊く、締めの雑炊を。独特な作り方なので、この雑炊を求めて来店するお客様も多いという。
「お客様には、日常から離れた時間と空間を提供したいのです」と話すのは、三代目女将の山口清子さん。一部屋ごとに趣のある個室だが、とくに上部の曲線が優雅な「花頭窓」に、狸の月見をあしらった「月見の間」などは、人気が高い。「ふぐ」は「ふく」とも呼ばれ、「福」に通じるという。一年の幸福と口福を祈り、ゆったりと味わいたい。
Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
掲載日/ 2016.12.19
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