シェフの多彩な発想と技が光る新星
東京・白金 ラ クレリエール
2016年4月にオープン以来、オリジナリティがあるひと皿を楽しめると注目を集めている白金のフレンチ「ラ クレリエール」。「レストランモナリザ恵比寿本店」の料理長などを務めたシェフの柴田秀之さんは、「とくにオリジナルの料理を、というわけではありません。その食材が一番おいしくなる方法を常に考えています」と話す。「鴨のコンソメを纏ったオマール海老のアスピック」では、オマール海老の美味を際立たせるため、クラシックなゼリー寄せ「アスピック」に。「小鳩の詰め物 “レニエ3世” クレリエール風」では、モナコ大公であり、グレース・ケリーの夫として知られたレニエ3世のために作られたレシピにヒントを得て、小鳩の旨みを堪能できるひと皿に仕立てている。
「小鳩の詰め物」は、小鳩の肉をいったん骨から外し、フォアグラの薫製や鴨肉のミンチ、くるみ、プルーンとともに詰め戻すという、手のこんだもの。一方で、夏は柴田さんが惚れ込んだトマトを、最適な温度でそのまま食べさせるひと皿を提供するなど、素材の味を引き立てる手法は幅広い。ランチのおまかせコースで12~13皿と、少量で皿数が多いのも、魅力的な食材を、それぞれひと皿に仕立てているからだという。カーテン越しに植栽の影が揺れる、ゆったりとした雰囲気の店内で、旬の素材と驚きに満ちた出合いをし、心行くまで味わう。そんな喜びが待つ店だ。
Photo/ Reiko Masutani
Text/ Ryoko Nakagawa
基本情報
掲載日/ 2016.9.20
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