フグへの愛が満ちあふれる珠玉のコース
大阪・難波 てっちり 法善寺 ほてい
包丁一本さらしに巻いて・・・で始まる名曲「月の法善寺横丁」に惹かれて料理の道を志したという店主の目崎義昭さん。店のメニューは1年を通して、フグ一筋。「大阪が誇れる食文化であるフグのおいしさを多くの方に伝えていきたい」と用意するサービスコースには、ゆびき、てっさ、てっちり、雑炊とフグの魅力がギュッと詰まっている。なんと30年間価格は据え置きというのも「フグをもっと身近なものに」という心意気の表れ。店で出すのは天然のトラフグのみ。写真のてっさは「生でもおいしく、しゃぶしゃぶでもいける、ひと皿で2度おいしく召しあがれるように厚く引いています」という口上とともに登場する。
むっちりと歯応えのある身は噛むほどに甘みを増し、口福な余韻があとを引く。サッと湯にくぐらせると濃い旨みがあふれ、生とはまた違う個性が花開く。てっちりに春菊は使わず、香り良い三ツ葉をたっぷり添えるのもほてい流だ。「実は産卵を終えて秋に向う夏フグも勢いがあって旨いですよ」と目崎さん。その季節にも忘れず訪れたくなる。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
基本情報
記事更新/ 2012.12.18
※表示価格は税(5%)込み・サービス料別の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。