1. 高島屋カード
  2. ハースト婦人画報社

隅田川のほとりで粋人に愛され続けてきた合鴨料理 このプランは終了しています

東京・東日本橋  あひ鴨一品 鳥安

1

1

口伝えでそのおいしさが広まり、いにしえの食通たちに珍重されてきた「合鴨」。そのすき焼鍋だけを供し続けて約140年。夏は暑さを気にせず、冬は熱燗を交わし鍋をつつくのが江戸の粋。島崎藤村や谷崎潤一郎など、歴代の文人墨客が愛した味を、現代にきっちりと引き継いでいる。両国橋西詰めに明治5年創業。情緒たっぷりのたたずまいは、名作小説にその名をたびたび登場させている。触れればすっととろける上質の脂。分厚くスライスし、鉄鍋にてジイジイと焼くのが独自の手法。生醤油と大根おろしでシンプルにいただく鴨の甘い脂と、醤油のコクが絡む極上の味わい。ざくに切られた葱や春菊も、鍋の中で角がとれ、まろやかな味へと昇華される。最後はうまみを残した鉄鍋にてご飯を炒める「焼飯」525円を堪能。

老舗の味は、手間ひまかけた丁寧な仕事と、いにしえから伝える清冽な日本の「心」に起因する。「人が人を呼びつながりができ、お客が喜び、そしてこちらも幸せ。それだけです」と5代目渡辺秀次さん。何代も家族で通う常連客に見守られながら、昔かたぎの職人はただ「感謝」をもつ。古きよき料理屋の、粋な作法に触れれば豊かさも広がる。若いやわらかな鴨肉をその感謝の気持ちとともに、至福のひとときを味わいたい。

Photo/ Akinori Maekawa
Text/ Sayuri Hiratsuka

基本情報
東京・東日本橋
あひ鴨一品 鳥安
TEL. 03-3862-4008
東京都中央区東日本橋2-11-7
http://www.aigamotoriyasu.com/

記事更新/ 2011.12.19
※表示価格は税(5%)込み・サービス料別の表示です。
消費税率の変更により価格が変わる場合がございます。
※お支払いは、タカシマヤのクレジットカードをご利用ください。