ワインとのマリアージュも楽しい京料理の世界
京都・烏丸 京料理 木乃婦(きのぶ)
「祇園祭は、鱧祭りとも言われます。鱧は暑い夏のシグナル。食べることで季節を感じ、自分の体を夏に順応させる食材ですね」と京料理「木乃婦」の3代目・髙橋拓児さん。初夏から初秋にかけて、会席の中でも鱧料理は欠かせない存在。「木乃婦」では淡路島の釜口港から取り寄せた鱧を使用。活けで届いたものを水槽で1~2日泳がせ、ストレスを軽減してから調理するという。鱧しゃぶ、落とし、お椀、寿司など、用途に応じて300~800グラムの大きさの異なる鱧を細かく使い分けている。写真の「鱧の木屋町焼」は江戸時代に作られた「鱧百珍」の中のひと品を髙橋さんが5年ほど前に再現したもの。800グラムの鱧をおろして竹串を打ったものを2枚、身を内側にして合わせ、反り返らないように留めて、炭火でじっくりと焼く。
外側は香ばしく、中の身は蒸し焼きになって、ふんわり。軽く塩をした身に粘り気が出て、しっとりとしたすり身のような食感も。焼いた鱧の骨を昆布、水、酒でコトコト炊いたとろみのあるスープと木の芽、実山椒の香りを添える。「木屋町焼」とは皮と皮の間=鴨川と高瀬川の間にある木屋町をかけたなんとも粋なネーミング。鱧という一つの素材でいかに変化をつけようかと工夫を凝らした先人たちの知恵と遊び心が伝わってくる。また、鱧のシーズン限定で用意される「鱧のコース」ではお好みで「鱧しゃぶ」や「鱧寿司」をリクエストすることも可能。
Photo/ Koichi Higashiya
Text/ Sawako Yamada
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記事更新/ 2015.6.18
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