東日本橋駅から徒歩6分ほど、地下1階にある隠れ家のようなフレンチレストラン「オステルリーラベイ」。ここでいただけるのは、フランスの高級店「ラ ボンヌ　オーベルジュ」やニースの料理人、クリスチャン・プリュマイ氏のもとなど、南仏を中心に腕を磨いた冨山家永シェフの料理だ。供する料理はすべて、シェフが仕込みから調理までひとりで行うため、1日の予約は1組～3組限定。「『食』という字は、人に良いと書きます。料理とともに、ゆったりと良い時間を過ごしてもらえれば」と、冨山シェフ。日本の良さを取り入れた冨山シェフの”ふらんす料理”と温かなもてなしで、「記念日はここ」と決めているファンも多い。フランスでの修業時代、ジュネーブの魚料理専門店「ル ピラート」のシェフソシエを務めたこともある冨山シェフだけあって、ブイヤベースも評価が高い。

オマール海老、ホタテ、ムール貝、ヤリイカ、本日の魚を煮込んだ「アシェット ブイヤベース」は、春に人気のメニューだ。オマール海老の頭や貝類、魚類などでスープを別々に取って最後に合わせ、計4日ほど煮込むブイヤベースには、雑味のない、魚介のうまみがたっぷり。スープは別添えにして提供し、目の前で料理にかけていただく。確かな技術で引き出された、海の幸のおいしさをしみじみと感じる、そんな喜びにあふれたひと皿だ。

Photo/ Kohei Nakamoto
Text/ Ryoko Nakagawa